食品・外食

2017年食品業界のM&A②老舗を後世に残せ! M&Aによって秘伝の味や、ブランドを伝承

老舗の食品メーカーや伝統ある外食企業の存亡の危機を回避するべく、大手企業がそれらの企業を傘下に収める事例が増えてきている。

 

 

時期

譲渡企業

譲受企業

特徴

2008年

井筒まい泉

サントリー

1930年創業

2010年

 

紀伊国屋

JR東日本

国内初のセルフサービス式スーパー

シェ松尾

東京風月堂

高級フレンチレストランの先駆け

2011年

成城石井

丸の内キャピタル

輸入食料品を取り揃える高級スーパー

2012年

 

カルピス

アサヒグループHD

1919年発売の乳酸菌飲料

三浦屋

いなげや

都内で小型店舗を展開する高級スーパーの先駆け

2014年

 

なだ万

アサヒグループHD

1830年創業 日本を代表する老舗料亭

旅がらす本舗清月堂

ドンレミー

1927年創業の老舗和菓子メーカー

2015年

壱番屋

ハウス食品

国内最大手のカレー専門チェーン

 

ショージ&ケー

都内外食大手

浅草で30年以上の歴史を誇る鰻店を経営

2016年

SONOKO

トリドール

故鈴木その子氏が創業した業歴40年、健康食品の通販事業を展開

2017年

 

 

銀座田中屋

グルメ杵屋

銀座本店を中心に松屋銀座店、西武池袋店の3店舗を運営する創業50年の日本そば店

千秋庵総本家

鈴木栄光堂

創業160年の老舗和菓子メーカー。同じく創業140年、海外に販路を持つ和菓子店と資本提携

 

2014年11月、売上高150億円を超える日本を代表する老舗日本料理店「なだ万」の株式51.1%をアサヒグループHDが譲り受けた。これにより、180年を超える歴史と伝統を後世に繋ぎ、事業承継問題を解決。また、アサヒビールはなだ万が培った和食のノウハウを取引先の飲食店に提供することで、コンサルティング機能において競合他社との差別化を実現した。

 

現在日本国内には、業歴100年を超える老舗企業が約2万6000社あると言われている。また、国内の約3分の2に当たる66%の企業が、後継者不在による事業承継問題を抱えている。2015年3月には、1932年創業で国内シェア30%を誇るチョークのトップメーカー羽衣文具株式会社が、後継者不在を理由に自主廃業している。

 

後継者不在の有名老舗企業にとって、M&Aにより事業を承継することが、伝統の味や技術を承継するための有効な手段として認識され始めており、今後も同様のM&A事例が増え続けて行くことが予想される。