業界再編運送業

ファッションビジネス業界の物流改革

ファッションビジネス業界で物流改革を掲げる企業が増えている。突き詰めれば物流の効率化、合理化という点に行き着くのだろうが、自前がいいのか、それとも外部の専門企業に委ねる方が良いのか、選択肢は分かれる。

 

ファッションビジネス業界で、物流に着目する動きが活発だが、物流の世界ではメーカーなどの上場企業が物流子会社を切り離してきた歴史がある。もちろん圧倒的な規模の企業や、物流に大きな力を注いでいる会社は別だが、全ての企業が同じようにできるわけではない。メーカーが物流部門を外出しして合理化するのは良い判断だと考える。

 

前提として物流業界の全体像について話すと、物流業界の企業数は現在6万3000社。90年には4万社だったが、規制緩和が進んだことで社数が大きく増加した。これにより過当競争となり、価格をたたき合っているのが現状だ。下請けからさらに2次下請けという構造も顕著で、賃金水準も他企業より低くなっている。こうした現状を考えると、例えばアパレルメーカーが自前で物流企業を保有するよりも、外部の企業を活用したほうが良いといえる。自社で物流会社を保有しても、働きやすい環境を提供しないと人材が集まりにくく、教育・労務管理も力を割かなければならない。自ら運営するのは難しい時代と言える。

 

百貨店を例に取ると、お歳暮とお中元の時期に物流量が急増するが、それ以外の時期はそれほどではなく、年間を考えると効率が悪いといえる。そして倉庫は一定のレベルや規模がないと経営効率が悪くなる。その点で複数のアパレル企業が共同で物流を手がけることにも意味がある。物流業界は数が多く、過当競争に陥っている。メーカー側としては価格競争もしやすい環境であり、外部を活用したほうが良いと考える。

 

物流業界は人手不足も懸念されている。宅配業者だけでなく、全般に物流業界は人が集まりにくい。加えて物流業界の社長の平均年齢は67.7歳と高齢化が進み、事業承継問題が深刻化している。事業承継は昔から出口が決まっており、一つがM&Aなどによる外部への承継、もうひとつが親族内での承継である。かつては親族内の承継が多かったが、現在は減っており、今後M&Aが活発化すると思われる。