M&A全般業界再編住宅・不動産・設備工事業界

【リフォーム業界】IT企業が業界地図を激変させる時!? ― iOffice 代表取締役 五十棲剛史

前回のコラムで私は、「これから10年リフォーム会社は半減する!?」とかなり刺激的なタイトルを付けて話題を展開しました。読者の中には、「何を馬鹿なこと言っているの?」と思った方も少なからずいるでしょう。

 

異業種の参入が目立つリフォーム業界

 

現在の日本のリフォーム市場を見ると、家電量販店などの小売業がリフォーム事業に力を入れていることがわかります。1年ほど前にヤマダ電機がリフォーム専業最大手のナカヤマを買収しました。またエディオングループなどは業界の成長以上のスピードで、売上を伸ばしています。

 

変わった例では、数年前に損保ジャパンが神奈川を中心としたリフォーム会社フュレッシュハウスを買収しました。またライザップが中堅のビルダー、リフォーム会社タツミプランニングを買収したことも話題になりました。

 

 

リフォーム業というと建築業とみなす人も多いとは思いますが、建築関連ではない他業種がリフォーム業界に対しM&Aを積極的に仕掛けていることがわかります。

これまでリフォーム業界といえば玉石混合型で、年商1~2億円の小さなリフォーム会社でも商売として十分やっていけました。しかしこのような異業種大手の本格的な参入は、リフォーム業界に業界再編の波を起こすことになります。というよりもはやすでに波が立ち始めていると言って良いでしょう。

 

シリコンバレーのベンチャー企業の台頭

 

しかし、これは日本での現状です。こと海外に目を移すと、まるで景色が変わります。

 

リフォーム業界の方ならシリコンバレーのベンチャー企業HOUZZをご存知の方も多いと思います。HOUZZといえばちょうど10年前の2009年に設立された、住宅・インテリア・リモデリングのオンラインコミュニティで、すでに14ヶ国でビジネスを展開しています。

HOUZZはユニコーン企業として知られ、時価総額は43億ドル(約4,500億円)。日本で今日本一のリフォーム事業は、セキスイハウスで売上が約1,300億円ですが、その事業の時価総額は推定で考えても、HOUZZを大きく下回ります。

 

彼らのキャッシュポイントは、インテリア商材のECとプロ探しのマッチングになっています。しかし、それだけでは彼らの本質は見えません。デジタル住宅画像のE-bookを通じて莫大なデータを生み出しています。もはや世界一の住宅デザイン、建材、インテリアのデータ会社になっています。データで高まった企業価値をベースにリアルビジネスに投資やM&Aを仕掛けるという構図は、自ずと想像がつきます。

 

噂ではアマゾンもリフォーム業界を狙っています。IT企業が業界再編を仕掛ける。このインパクトは、まるで業界地図が変わる可能性が高いと感じています。

 

 

 

 

執筆者紹介 株式会社iOffice 代表取締役 五十棲 剛史 氏

京都生まれ。大手百貨店、コンサルティング会社を経て、1994年船井総合研究所入社。入社以来クライアントの業績アップ技術には長けており、「行列のできるコンサルタント」として、船井総研全コンサルタントの中で、11年連続コンサルタント実績NO.1など不滅の記録を数々樹立。その後、船井総研ホールディングスの事業開発取締役として、アドテク等の新規事業を手掛け全て成功に導いている。2018年3月24日退任後、「世界に通用するスタートアップ企業をつくる専門に支援をしたい」という思いで、iOfficeをスタート。