住宅・不動産・設備工事業界

建設業界 経営統合の歴史

建設業界では、多くの統合が行われてきた。建築資材関係、住宅機器、電気工事などの設備工事、ゼネコン、マンション、パワービルダーとあらゆる業種で統合が行われてきた。(図表①参照)

 

戦後の成長期、バブル期に急激に業績を伸ばしたが、その後の公共事業の縮小により、会社数は多いまま需要だけ減り続け、徐々に儲からない産業へと転換していった。2013年には、120年続いた名門土木のハザマが中堅ゼネコンの安藤建設と経営統合したが、これはメガバンクが主導したとされている。バブル崩壊後の救済型の経営統合が印象深く「建設業界のM&A=救済」のイメージがいまだに色濃く残っている。

 

建築資材や住宅機器などの業種は、圧倒的な販売量が差別化を生み出すため、再編が急速に行われた業界である。設備工事関係は、電気工事・空調工事・給排水工事・管工事と工事を一貫して行うことにメリットを感じ、周辺業種とのM&Aが増加している。パワービルダーでは前号で述べたように、6社統合の影響でM&Aが急加速した。

 

戸建大手では、大和ハウスがM&Aを得意としている。準大手ゼネコンのフジタ、当時ジャスダックに上場していたコスモスイニシア、福岡証券取引所に上場していたパーキング大手のダイヨシトラストと立て続けに買収に成功した。マンション業界では、大京が2007年に供給数で業界トップだった穴吹工務店を買収した。リーマンショック後の再編で生き残った財閥大手は、低価格マンションに進出しており、大京や大和ハウスはM&Aを使って迫っている。

 

ここ数年の好景気の間に経営体力をつけ、M&Aにより収益性を高めている中堅企業は一気に上位企業へと躍り出るチャンスが訪れていると言える。

 

図表①