IT・ソフトウェア

【IT業界M&A事例】お互いの苦手な開発領域を補い合えるM&A

【譲渡企業様】

 

企業名

株式会社Trustia

業種

受託開発ソフトウェア業

売上(M&A当時)

266,725千円

オーナー様のご年齢

42歳

 

【譲受企業様】

 

企業名

株式会社コムニック

業種

受託開発ソフトウェア業

売上(M&A当時)

3,027,939千円

   

 

 

譲渡企業様の概要とM&Aの検討理由

 

JFEエンジニアリング等、優良な取引先を抱えるSIer

 

株式会社Trustiaは北海道の大通に拠点を置くSIerです。JFEエンジニアリングやNTT系列、日立系列の企業とも取引があり財務も安定した優良企業です。

 

JFEエンジニアリングにおいては、エネルギー事業本部と直接取引をしており、特命発注で仕事を請け負っていることなどから実力は担保されています。

また、非常に難易度の高いシステム開発も手掛けていたため在籍するエンジニアは非常に優秀であったと言えます。

 

創業時から『10年以内にイグジットする』と決めていた

 

中山社長は創業時から10年以内にイグジットをすることを決めていたといいます。

 

中山社長のその目標に加えて、ご自身の病気も重なってしまい、自身に万が一のことがあってからでは遅い、というお気持ちから当社にM&Aをご相談いただきました。

 

Trustia社は2007年の設立、M&Aを実行したのが2015年であるため、8年で創業当時からの目標を達成したことになります。

 

M&A後、売上は伸長

 

今年2月、譲受企業のコムニック社にインタビューに行った際、Trustia社の現在の業績をお聞きしたところ、M&A実行後1割程度、売上が伸びているとのことでした。

 

コムニック社は設計を行い、開発工程を敷いた上での開発、いわゆるウォーターフォール型の開発が得意であり、Trustia社は試行錯誤しながら開発を行っていくアジャイル型の開発が得意であったため、コムニック社がそれまで断ってきたアジャイル型の開発をニアショア拠点のTrustia社に渡すことにより、売上が伸びてきているとのことでした。

 

ニアショアとして活用することにより人件費も抑えることができ、これまで断ってきた仕事も受けられるようになり、優良な取引先も確保できた一石三鳥にもなっているとのことでご満悦の様子でした。

 

譲受企業様の概要とM&Aの検討理由

 

東京都に拠点を置き、NTT関連の優良な取引先を有するSIer

 

一方、譲受企業であるコムニック社は、東京に拠点を置く当時売上30億円強のSIerです。NTTグループ向けの通信関連の開発実績が高く、優良な取引先から長く信頼を得てきた企業です。

 

松岡社長、大松専務をはじめ魅力的な人柄の経営陣が真摯に顧客と向き合い、業績を伸ばしてきました。

 

そうした安定した経営ができていた一方で、アグレッシブさに欠けていた面があると認識されており、M&Aを一つの経営戦略として考えられるようになったとのことでした。

 

M&Aに関するセミナーに積極的にご参加され、当社社員と情報交換をしていただく中で、地方にニアショア拠点を持ちたいといったニーズをお聞かせいただきました。

 

 

Trustia社に出会って

 

当社よりTrustia社の紹介を受け、親和性が高いと直感した、とのことです。

 

自社はNTTグループ向けの開発を手掛けており、Trustia社はJFEエンジニアリングの開発を請け負っているということで、堅実な取引先を持っている点に親和性を感じられ、ニアショア拠点として活用ができるだけでなく、開発領域の拡大も見込めると感じ、前向きにご検討されるに至ったとのことでした。

 

 

M&A実行から2年経って

 

M&Aを実行されてから両社の状況をお聞きしたところ、社員旅行で東京から北海道に行き交流を図り、大松専務がTrustia社の社長に就任することで両社の開発の橋渡しを行い、非常に良好な関係性が築けているとのことでした。

 

松岡社長からは当初想定していたシナジーが明確に創出できているとのことで、こちらも大変ご満足いただけている様子でした。

 

 

本件M&Aで重要となったポイント

 

譲受企業の理解の深さ

 

松岡社長、大松専務はM&Aに関する情報収集を続けてこられた末にM&Aを実行されており、「失敗するM&A」を事例としてよく知っていらっしゃいました。

 

特に、譲渡企業の中山社長が仰っていたことが、コムニック社には全く威圧感がなく、上から物を言う姿勢もなかったということです。

 

結果として中山社長も献身的に引き継ぎに協力してくださったとのことで、コムニック社のそうした配慮が功を奏したと言えます。

 

明確なシナジー

 

ただの開発人員確保のためのM&Aとは違い、両社にはお互いの苦手な開発領域を補い合えること等の、協業による明確なシナジーがあったことが大きなポイントであったと思います。

 

譲受企業のニーズを充足させるだけでなく、譲渡企業にとっても同じくお互いにビジネスシナジーが見込めたことで、譲渡企業社員も新しい仕事が広がりM&Aに対する納得感が高かったようです。

業界再編部 IT業界支援室

戸塚 直道

富山県出身。早稲田大学基幹理工学部数学科卒業後、大手証券会社にてリテール営業を経験し、日本M&Aセンターに入社。現在はITソフトウェア業界を専門にM&A業務に注力している。座右の銘は“百術は一誠に如かず 至誠の感ずるところ 天地もこれが為に動く”。

富山県出身。早稲田大学基幹理工学部数学科卒業後、大手証券会社にてリテール営業を経験し、日本M&Aセンターに入社。現在はITソフトウェア業界を専門にM&A業務に注力している。座右の銘は“百術は一誠に如かず 至誠の感ずるところ 天地もこれが為に動く”。